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トップページ > ライター講座 トップ > 取材からライティングまで > 取材・ライティング実践編

第二章:現実に各プロセスで考えるべきこと

以上の流れが理解できたでしょうか。それでは、それぞれの過程で具体的にどうすればいいのか考えてみましょう。いわば、ここからが実践編です。

1、 取材前(事前準備)

格言その4 「準備なくして成果なし。この作業に天才は存在しない」

まず念頭に置くべきことは、取材とは相手とのふれ合いであり「自分と相手の人生のクロス」だということ。

さらに、自分の人脈ネットワークをつくる最大の好機でもある。いい取材ができれば、必ずいい人間関係ができる。

蛇足:名前と座席表

事前にできるだけ相手のことを調べる。

「主食」の部分は確かめるだけくらいになるほどにしておき、「おかず」に踏み込む。

「おかず」を形成するのは、相手のキャラクターではなくて自分の質問。

質問づくりは【(L÷5)プラス5】の法則。

イヤでも調べるしかないくらいになれば、自然に関心も湧く。

質問にも先の3要素は生きる。ただし、どの質問が生きるかは事前には分からない。

質問と同時に「あらすじ」を作っておけ。

「加工」が格段に楽になる。

蛇足:本を読み、本を忘れる

2、 取材中

格言その5 「取材は自分を売り込む最大のチャンスである」

基本は笑顔とハキハキ。

軽いネタふりで相手の気分をほぐす。

取材とは「引き出す」オンリーではなく、「ギブアンドテーク」。

いい取材ができれば、必ず仲良くなる。

お互いに「もう一度会いたい」と思う「理解者」になれたかを問い直す。

理想は「悪口を書かれてもあいつになら仕方ない」。

蛇足:記者と警察のおじさんたち

「相手に好かれる」は、「相手を持ち上げる」とイコールではない。

相手に興味を持ち、相手のことをよく勉強し、相手のことを理解した上で、自分なりのシャープな視点を持ち、その人の持ち味を引き出してくれる人間が好かれるのだ。

事前の筋書きと質問にしたがって取材を進める。

ただし、話は生き物。どこに飛ぶか分からないのが当たり前。暴走は止めなくてはいけないが、あまり神経質に事前の段取りにこだわると相手の持ち味がでない。問題はそのバランス。

迷ったら基本、すなわち3要素に帰れ

相手が気持ちよく話すほど途中では止まらない。ところどころ取材者が中断して分割・整理しろ。

知ったかぶりは絶対に禁物。あとで原稿にするときにエライ目に遭う。

分からないこと、知らないことは率直に聞け。そもそもそれが取材だ。

取材中はノートを隠せ。必ず相手の気が散る。(除く取材表)

本当はノーメモが理想。

聞き出した話に「ムダ」など決してない。「ムダになるのでは……」と恐れるな。
魂は細部に宿る。状況・周辺にこだわって聞き出せ。

「裏をとる」意識を忘れるな。それがミス防止にもつながる。

「決めゼリフ」を拾え。

「これで十分」と思ってからあと二歩粘れ。そこで往々にしていい話が出てくる。

迎合だけがいいとは限らない。時に意地悪な質問を混ぜよ。

それはつまり、物事を違う側面からとらえ直し、相手に新たな視点を提供するとともに、取材者としての自分の立場を確認することでもある。

 例えば「100人中90人が支持してくれた」と言われたら、「後の10人は何を考えたんでしょうか」と想像し、質問してみる。

ここで荒井家のウラ技

自分勝手にしゃべりまくる相手には

 ーー言いたいことを一度言わせてから「ところで」と聞きたいことを聞く。ポイントは繰り返して聞く。自分で答えを類推してそれをぶつける。

黙りタイプの相手には

ーー質問というよりも、予想外の提案で相手を刺激して答えを引きだそう。

例「福井の印象はどうですか」「さあ、よく分かりません」。「あなたが大好きなニューヨークに似てると評判なのをご存じですか?」。

3、 加工中

格言その6 「頭の中が流れなければ文章も流れない」

取材ノートはその日のうちに見直す。相手の息づかいを覚えている間に鉄を打て。

相手の話をまとめ直し、見つめ直し、しっかり把握し、強弱を決めて、並べ替える。

・文章を早く書くコツはーー表を作ってみること。

長い文章なら実際に表を書いてみる。短い文でも頭の中で作っておく。これができれば書けたも同然。できないのに書き出すのは海図のない航海。

・長い文章を書くコツはーー「付け足す」のではなく「削る」こと。

書き出す前から行数にとらわれるな。贅肉をそぎ落とせば自然に筋肉はついていく。

「善意のワナ」に気を付けろ。

ものの見方は一つや二つではない。切り取ってきた素材にあっちこっちから光を当てろ。

蛇足:さだまさしと中島みゆき

4、 執筆中

格言その7 「後出しは後悔の始まり」

一番大切なのはリズム。

内容の吟味、進行と展開はここまでの段階で終わっている。実際に書くときにまず念頭に置くべきなのはリズムである。

一番言いたいことを後出しにするな。

小説や論文ではない。まず読者をいかにキャッチするかが勝負。

感動するのはいいが、感動を書こうとするな。

感情の動きを書かれても何のことか分からない。情報を伝達せよ。

悪文の例

T 不要な繰り返しーー【5/3の法則】

U 逆説構造にするな

V 人名締めは避けよ

ここで荒井家のウラ技

・同じ意味の単語が頻出せざるを得ない時には同義語を交互に出す

・行数が不足する場合は表情、状況、風景、質問(前提)、一般論の順にカバーリングする

5、 チェック

格言その8 思い出せ、「誰のために書いたのか」

・必ず読み返そう。一発でパーフェクトを出せる人間などいない。

「主食」の部分はデータを確認。「おかず」の部分はリズムを確認。

推敲作業には2箇所の転換点がある。

「3回読ませる」が原則。

一つ一つの文章と段落が長すぎないか確認しよう。

体言止めでキレを出すのは効果的だが、多用しない。

「並列効果」は必ずトリプルで。 

「3人目の満足」を追求しよう。

1人目と2人目の満足は本来二の次。

取材者との関係の中から、編集者の役割も見えてくる。

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