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第一章:取材からライティングまでのおおまかな流れ

まず、取材から原稿を仕上げるまでの一連の作業を流れとして理解しておきましょう。このプロセスを何かに例えるなら、料理に似ています。

1、 素材調達(相手の一部を切り取ってくる。いわゆる「取材」)

格言その1「ネタが悪ければ、どんな料理人もお手上げ」

具体的にどこを、どれくらい、どのように聞いてくるのか、を決めるのは「媒体」「企画意図」「分量・レイアウト」の3要素。

つまり、どんな場で発表し、どんな狙いがあって、どれだけの行数があり、どんな見せ方をするかによって変わってくる。このポイントは、これ以降もすべて同じ。

その上で、切り取ってくる素材の量と質を決めるのが料理人の腕前。

ただし、最終的に客に出す料理と違って、絶対的に量は多ければ多いほど良い。しかも「分母」が大きいほどよい。

原稿の「面白さ」はここで9割決まってしまっている。

蛇足:象をなでる視覚障害者と人間球体論

2、 加工する(ネタを整理する。「文章を書く」ではない)

格言その2 「家も文章も土台が大事」

むき出しのままの食材を料理にすべく、切ったり焼いたり煮たりする。違う言い方をすれば、原稿の「設計図づくり」である。

もちろんここでも3要素は生きる。

文章が「スムーズ」かつ「素早く」書けるかどうかは、実際に書いている時ではなくここで決まる。

素材の中にも加工できる「おかず」と加工できない「主食」がある。

「主食」とはすなわち基礎データ。氏名・住所・年齢・職業・電話番号等々。

店舗情報誌なら特に営業日・営業時間・店名表記などが重要になってくる。

ここは自分の工夫を加えることはできず、いかに正確に伝達するかだけが勝負。

漢字、旧字体、生年月日による確認、町名の「丁目」の有無、通称と正式名、固有の法人名、外国語表記、セール等の特別期間などチェックポイントは尽きない。

ここで間違えたらどんな素晴らしい記事も意味を失うことを覚悟しなければならない。

蛇足:有名の無名、無名の有名

特に「○○最大」「○○初」「○○1」「○○唯一」には注意せよ

ここで荒井家のウラ技

ウラを取るのが基本だが、時間がなければ「最大級」「草分け」「トップクラス」「他に例を見ない」などを使うか、「○○1だと自信を持ってます」などと本人のコメントにする。

ミスを防ぐ対策は徹底した確認以外はない。

最大の教訓は自分のミス。だから失敗を人のせいにする人間は必ずまた間違える。

人の痛みをわがこととして、イタい思いを糧にせよ。

「おかず」とはすなわち書き手が加工できるデコレーション。

原稿の「面白さ」を決める部分。いわゆる文章がうまいとか、感動的だとかいう印象を読み手に与えるのはこの部分である。

3、盛りつけ(いわゆるライティング)

格言その3 「書くという行為は最後の仕上げにすぎない」

文章がうまくできない、素早く書けないと悩む人は「書く」ことが下手なのではなく、素材調達と加工のやり方が間違っているのである。

ライティングとは、客に出すための最終プロセスであり、「書く」ということが独立して存在しているのではない。

食べる人に訴えるように、おいしそうに、見やすく、分かりやすく、これまで準備したものをお皿に並べていく。

過去においしい料理をたくさん食べたことがある人ほど、おいしい料理をつくる上では有利である。

したがって、いいものを書きたければ、まずいいものを読むことである。

いいものを読むことは、二つの点で役に立つ。

全くのオリジナル文章を作れる人間は日本に10人もいない。

結局は、これまでに読んだ文章の棚卸しであり、個性とはすなわちアレンジ力である。

したがって、過去の仕入れが多いほど有利になる。

書いているうちについ盛り上げたくなる気持ちを押さえよう。

小説のように、自己の内的モチベーションに従って書くのならそれでもいい。

だが、我々の原稿としては失格。あくまでも「設計図」通りにするための補強でなくては。

取材と加工がうまくいっていれば、「書く」ことは一連の流れの中において一番楽で、楽しい作業となる。

なぜなら、それは自分の仕事の成果を確認するプロセスだからである。

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